林田洋翔君の高校ラストラン

 2月14日から16日までの3日間に亘って開催された第69回 郡市対抗県下一周駅伝大会に、2017-2019のジュニアアスリート強化支援選手であった林田洋翔君(瓊浦校3年)が出走し、2区間で2つの区間賞を勝ち取り高校生活最後のレースを締め括っています。
 
 大会前日に行われた開会式では、前年度総合優勝の大村・東彼チームを代表して林田君が優勝旗返還の役を任されることに。3日後の表彰式には優勝旗を取り戻すと、一時的に預ける気持ちで『勝者の証』を大会主催者へ手渡しました。
 前大会でも2区間出走・2区間賞獲得ながら「去年は自分で納得いく走りではなかったですし、あまりチームにも貢献できていなかった。優勝は素直に嬉しかったですけど、自分の中では心残りがあった大会でした。今年は絶対に自分が力になって優勝して二連覇に貢献したい。自分のやるべき仕事は初日1区で流れを作り、3日目中間区間の走りで流れをもっと良いものにすること」と学生として臨む最後の大会で完全燃焼する決意を見せます。
  • 初日第1区スタート直後 © 2020 長崎新聞社
「高校最後だから良い締めくくりで終わらせたい」と強い気持ちで臨んだ今大会。自ら志願した初日の第1区(10.2km)で2位に21秒差をつける30分18秒のトップで第2区走者の花尾恭輔君(鎮西学院高3年)に満面の笑顔で襷を渡しました。桜が原中学校では同級生かつチームメートだった花尾君は、身近なライバルとして切磋琢磨してきた盟友です。
「高校最後に花尾と襷のリレーができてすごく嬉しかったです。今日の襷リレーが、それぞれの未来に繋がればいい。本当に楽しいという感覚でスタートを切れました」
 4月からは林田君は実業団のMHPSへ、花尾君は駒沢大学に進み次の4年間は違う舞台で走ることになりますが、いつか再び同じ舞台で走る日が来るまでと、お互いにエールを送り合う襷リレーでした。
  • 万感の襷リレー © 2020 長崎新聞社
 林田君がリードした大村・東彼は第1日目を首位発進。2日目もチームは首位の座を守り、最終の3日目に突入します。3日目は島原から多比良までを走る6区(12.3km)にエントリーした林田君はここでも快走を見せ、今大会2つ目の区間賞を手にしました。
 区間新記録達成を狙うも、強い風と雨が降り気温も下がる悪条件の中での37分57秒はとても価値ある記録です。今年の箱根駅伝に出場した佐世保チームの吉井龍太郎選手(大東文化大3年)に26秒差をつける力走でした。
「今の自分ならばいけるという感覚があって、負けたくないというプライドもあったので良い走りができました」

 今大会で大村・東彼チームは全日程をトップで終え『完全優勝』でニ連覇という記録を残します。「3日間全てで日間首位を取っての優勝はすごく嬉しいですし、自分の結果としても今まで高校時代にできなかった積極的な走りができて、成長を感じられた大会でした。高校3年間お世話になった山川先生(瓊浦高陸上部監督)は敵チームでしたが恩返しもできました」と学生生活最後の大会で有終の美を飾った林田君は笑顔を見せました。

「高校生としてのレースはこれが最後で、4月の末に実業団ランナーとして初めての大会が控えています。それまでの期間で自分の身体をもう一度作り直したいです。高校でできなかった部分、自分が甘かったところをもう一度見つめ直して、陸上ランナーとしての姿勢も考え直していきたい」
  • 3年間チームメイトであった長島玲音選手と © 2020 長崎新聞社
 林田君は地元長崎を拠点に活動するMHPS(三菱日立パワーシステムズ)へ入社後は会社の寮に入り、先輩ランナーたちから社会人選手としての心得を叩き込まれているそう。練習場が同じであった縁から高校時代より幾度か一緒にトレーニングしてきた間柄です。
 MHPSマラソン部は2018年夏のアジア大会男子マラソンを制した井上大仁選手、2020年東京マラソンで日本歴代9位の2時間7分5秒の記録を出した定方俊樹選手、チームのキャプテンで瓊浦高校の先輩でもある木滑良選手、当財団奨学生OBで先の唐津10マイルで優勝したばかりの的野遼大選手ら多数のエリートランナーを擁する国内屈指の強豪で、地元出身の選手が多く『長崎から世界で戦う』ランナーを輩出しており、「世界のトップで戦うのが目標」という林田君にとって最適なチームです。
「自分が大好きな競技を続けることが許されること、走りに集中させてもらえるのは本当にありがたいことなので、それに伴って結果を残していかないといけないと気持ちを一層引き締めています。給料をもらいながら走るのは学生と実業団の違いなので、常に職場や仲間への感謝の気持ちを忘れずに、皆んなに喜んでもらえるような走りを求めていきたいです」
  • 2019 ゴールデンゲームズinのべおか(日本グランプリシリーズ)
 林田君は社会人1年目の目標として『日本選手権入賞』を挙げました。「自分より実力も経験もある先輩方に挑んでいきたい」と新たな舞台でのチャレンジに心を踊らせ、社会人選手として実力を着けていきながら世界を目指してひたむきに走り続けます。
 その瞳が見つめるのは世界選手権、2024年パリ五輪、2028年ロサンゼルス五輪……。夢では終わらせない。確かに輝く自身の姿がそこにあると信じて前へ進むことを諦めない。ありがとうの言葉を胸を張って伝えられるゴールを駆け抜ける、その日まで。

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