池田成諒君が筑波大へ進学

 2019-20のジュニアアスリート強化支援選手の池田成諒君が、この春に島原高校を卒業して筑波大学へ進学しました。

「自分が学びたいことが筑波大学にありました。専攻は体育専門学部で、将来的にはコーチングの道に進みたいです。ここは深いところまでスポーツを学べる環境が整っており、監督の谷川先生も今でもずっと学び続けられていてとても尊敬できる方。いただくアドバイスも理に適っておられストレートに吸収できます」と、110mハードルの元日本記録保持者で、2000年シドニー五輪と2004年アテネ五輪に出場した谷川聡先生が陸上部監督を務める筑波大に身を置き、競技者としても将来の指導者としても成長したいと決意を新たにしています。
「ここには今の自分にとって必要な環境が整っています」
 昨年(2019)の日本学生陸上競技対校選手権(インカレ)の男子100メートル覇者で、茨城国体の青年男子100メートルも優勝した大学王者の東田旺洋選手(同大学院3年生)やインカレ200メートル王者の山下潤選手(ANA)らが共に練習するような、高いレベルの練習環境が整えられています。昨年のインカレでは男子100m・200m・4x100mリレーの短距離3種目全てにおいて筑波大が1位を独占しました。
「先生と選手の目線が近く、選手同士の上下関係もあまりないので、チームの雰囲気がとても柔らかく僕には合っていますし、とてもやりやすい環境です。ここには今の自分が求めている環境が整っています。これまではレースで自分よりも速い選手と走ると、意識してないつもりでもどこかに力みが出て、うまく走れないことも多かったのですが、ここではトップレベルの選手同士が一緒に練習することができるので、日常的に速い選手と走ることに慣れ、レースでも安定して良いタイムを出せそうです。(山下)潤さんと練習する機会もあって、多くの刺激を受けてとても楽しく練習できています」
「Welcome back」
 2019シーズンの最後は、茨城国体 少年男子A100メートル長崎県代表選手として出場し10秒73の記録で優勝。高校1年時にも栄冠に輝いた思い出深い大会で、高校生として最後のレースを締めくくっています。
 2020年明けには、昨年に続き当財団のジュニアアスリート強化支援を受け米国フロリダ州にあるIMGアカデミーへ短期武者修行のために単身渡米。抜けるような青色が続くフロリダの空の下で練習をする池田君は「『ただいま』という気持ちで、第2のホームに帰ってきたような感覚」と身体中に自信が漲っていました。

 昨年のキャンプでは勝手が分からずに戸惑うことも少なからずありましたが、今年はかねてより交流を続けてきたIMGの監督やコーチ陣から「Welcome Back, Seiryo」と暖かく迎えられ、この1年間、陸上の厳しい練習の合間を縫って学んだ英会話の効果も発揮して、チームメイトたちとも笑顔で冗談を言い合います。
「成諒は1年前と比べて心身両面で大きく成長した。とてもリラックスして楽しみながら積極的に練習に取り組んでいる。昨年はお客さんだったが、今年はチームの一員だ」とIMGのスプリント担当コーチで、五輪に3度出場し、2009世界陸上では4x100mリレーのメンバーとして金メダルを獲得したドワイト・トーマス氏は池田君の成長具合を好ましいものだと評しました。
ドワイトコーチは何かと気にかけて声がけしてくれることが多く、世界トップクラスのスプリンターだった方から褒められると素直に大きな自信になりました」
「自分からアクションを起こしていく大切さ」
「今年は練習の質がすごく上がりました。昨年は基礎的なことが多く、キツい練習もあまりありませんでしたが、今年は走り込みもあり、ハードな練習を何度もこなし乗り越えたことが大きな自信になりました。キャンプ後半には走りの感覚が掴めてきて、そこからは日に日に良くなってタイムにも現れたので、とても充実したアメリカ修行でした」
 まだまだ成長を続ける池田君のポテンシャルはIMGコーチ陣も大いに認め高い期待を寄せるところ。キャンプでの成果を実感する中で折良く好機にも恵まれ、予定にはありませんでしたが監督からの強い勧めもあって、アメリカでの陸上競技会に助っ人として出場することになりました。

 国際的なモーターレース会場として高名なデイトナ・インターナショナル・スピードウェイに程近い、エンブリーリドル航空大学で開催された2020 Embry-Riddle Indoor-Outdoor ChallengeにIMG Eliteチームのメンバーとしてエントリーし、サーキットから聞こえてくるストックカーのエンジン音に負けない力強い走りを見せ60mで7位、200mで4位、4x400mリレーでは3位の記録を残します。
 アメリカ人の学生を相手にしても怯むことなく、IMGでの調整が順調に進んでいることを示しました。
「初見の海外選手と一緒に走ったことは、今後の競技人生にかなり役立つと思います。また、レースに出たこともそうですが、チームメイトと遠征に行く経験ができたことも大きいです。自分がしたいことや思っていることを言い、分からないことは聞くなど、自分からアクションを起こしていく大切さを実感しました」

 また、現地で合宿中の2016リオデジャネイロ五輪 4x100mリレーの銀メダリスト、山縣亮太選手(セイコー)と共に練習するという千載一遇の機会にも恵まれました。
「加速してスピードに乗るまでに時間がかかることがあり、そこを相談したところ、軸を意識するようにアドバイスを頂いて、すぐには理解できなかったのですが、練習を重ねていくことで山縣選手が言われた意味が分かるようになったんです。走りの中で大切にする部分が明確になりました。間近で山縣選手の練習を見られたのも大きな収穫です」
 日本が誇るスプリンターでもあり、最も目標として憧れていた選手から直接アドバイスをいただけたのも、アメリカに挑戦する勇気が生んだことなのでしょう。
「IMGで掴んだ感覚を忘れずに自分のものとして」
 1月初めにキャンプインし2月末に帰国するというスケジュールで、タイミング次第ではCOVID-19感染拡大の影響でアメリカでも練習が中止になり、帰国も困難な状況となっていたでしょう。
 高校の卒業式は規模縮小で行われたましたが、筑波大学での入学式は中止となってしまいました。
入学後2週間で陸上部の練習は中止、大学の授業もオンラインになり、これまで例を見ないシーズンインとなりましたが、コツコツと地道なウエイトトレーニングなどを続けながら、再びスタジアムのトラックを走る日を心待ちにしています。  残念ながら、今年の目標に掲げていた第18回U20世界陸上競技選手権大会(2020年7月にケニア・ナイロビで開催予定であった)も時期未定のまま延期となりましたが、2021年開催になったとしてもこのレースに賭ける気持ちに変わりはありません。東京五輪の開催も1年先に伸びたことで、この先にも意欲を燃やします。
「キャンプ後半から感覚が更によくなって、それはタイムにも現れています。帰国直後の3月に250mと300mの練習で自己ベストを更新しました。早い段階で良いタイムが出たので、この調子でタイムが上がっていけばオリンピックも狙えるチャンスじゃないかなと感じています」
 4月5月とチームでの練習が出来ないまま単独で練習する日々が続きましたが「芝とか坂で練習しても、日に日に伸びているのを感じます。先日、久しぶりに練習トラックで走ってみると、とても気持ちよく走れました。IMGで掴んだ感覚を忘れずに自分のものとして、今後ももっともっとタイムを縮められるように頑張っていきます」とコロナ禍を吹き飛ばすような笑顔で飛躍を誓いました。

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