TREASURE'23 NAGASAKI 3x3 GAMES THE 5th コートサイド

CLINIC
 

高校生がプロから貴重な学び

 2023年8月5~6日に長崎市の出島メッセ長崎で開催された「TREASURE NAGASAKI 3x3GAMES 5th」。大会の特別ゲストとして、5日の3x3エキシビションマッチに登場したバスケットボール女子日本リーグ(Wリーグ)トヨタ自動車アンテロープスのメンバーが、6日に同市の長崎西高体育館を訪れ、長崎県内の高校女子選手たちを対象とした練習会を行いました。

  • イヴァントリノスAHC

  • 渋谷理恵チーフトレーナー

 トヨタ自動車のメンバーは大神雄子ヘッドコーチ、イヴァントリノス・アソシエイトヘッドコーチ、渋谷理恵チーフトレーナーに加え現役選手が安間志織選手(PG)、川井麻衣選手(PG)、山本麻衣選手(PG)、梅沢カディシャ樹奈選手(C)、宮下希保選手(PF)という豪華な顔ぶれ。

  • 山本麻衣選手

  • 安間志織選手

 高校生は、この夏のインターハイに県代表として出場した長崎西高を筆頭に、県大会優勝を目指す女性指導者がコーチを務める長崎日大高長崎商業高鎮西学院高創成館高の各選抜メンバー35名が参加し、互いに県内で競い合うライバル同士が一堂に会する滅多にない機会となりました。

  • 川井麻衣選手

  • 梅沢カディシャ樹奈選手

 練習会では、アンテロープスが実際に取り組んでいるメニューを一緒に体験しました。ウォーミングアップから始まり、ディフェンスのローテーションや攻守の切り替えの実践練習、ドリブルからシュートのスキル練習などに挑戦。活気あふれる時間の中で、トップ選手の技術はもちろん、競技に臨む姿勢や雰囲気づくりなど、多くを吸収しようと積極的に臨みました。特に声出しについては繰り返し心がけるよう喚起され、ミニゲームの数を重ねる度に互いにコミュニケーションを取り合う声が増え体育館に響きました。

 また、各校の指導者やトレーナーを交えて育成・強化の現場での練習メニューやコーチングについての講習を受け、質疑および意見交換の場も設定。話題は国内外バスケットボールの最新トレンドにまで及びます。
 今回のクリニックを経て指導者陣は「いつもとは異なるトップチームの練習メニューに取り組む自チームの選手の姿に刺激を受け、且つ普段の練習を見ることが無い他校の選手を目にすることで、自チームを客観的かつ多角的に見る視点を再確認しました」と感想を述べられています。

―「いい思い出で終わらせない」大神HC

 午前・午後あわせておよそ5時間に亘りエアコンの無い真夏の体育館内で共に汗をかいた後は、質疑応答の時間。オフェンスやディフェンスの各局面に応じた動きや、ビッグマン対策といった質問に、選手やスタッフたちは実演も交えながら丁寧に答えていました。

  • 宮下希保選手

 そのうち、コンディションづくりの質問について、選手たちは自分の故障しやすい部分や日々の体の状態をしっかり把握しケアを怠らないことを説明。大神HCが「自分のウィーク、ストロングポイントについてはプレーも同じことで、自分自身を知ることはすごく大事です。それをきっかけに、アプローチや練習前の準備の仕方も変わってくると思います」とまとめました。

 練習会を終え、充実感に満ちた表情の高校生たちへ、大神HCが「この後、一人一人がチームに戻ってどう過ごすかが大事です。いい思い出で終わらないように、自分に何ができるのか考えて行動してください」とメッセージを送り、最後に「学びの三原則」を伝えました。
 参加した長崎西高の清水理沙主将は「プロの選手たちはコンタクトに強くて、体づくりの意識が違いました。練習の雰囲気もとても良くて、私たちも、もっと大きな声で盛り上げないといけないと感じました。いろんな気付きや学びがあったので、学びの三原則を大事にチームへ還元したいです」と意欲を高めていました。

大神HC流「学びの三原則」

インプットよりアウトプット
成功体験より失敗体験
予習より復習

Alma Mater
 

「長崎のバスケ盛り上げたい」田中選手母校を訪問

 この日は、アンテロープスのメンバーに加え、大会特別ゲストで長崎西高出身のBリーガー、田中大貴選手(サンロッカーズ渋谷)も母校を訪れ、後輩たちを激励しました。
 思い出の詰まった体育館を歩き回り「懐かしいです。卒業してだいぶ時間はたっていますけど、やっぱり当時のことを思い出します」と、13年前と変わらないところ、変わったところを見つけては、持参したカメラのシャッターを切っていました。

  •  これまでの「TREASURE」開催時は、日本代表活動が忙しかったり、新型コロナウイルスの流行や自身のけがもあったりとタイミングが合わず、ゲスト参加がかなわなかった田中選手。それでも、「地元のために何かできることがあれば」と、ビデオメッセージなどで大会に協力してきました。
  •  今回、初の「リアル参加」実現を「こうやって長崎に戻って来られて、子どもたちと触れ合えて、いい機会になりました。あらためて、若いエネルギーのすごさを感じました」と振り返りました。願うのは「もっと長崎のバスケットが盛り上がること」「長崎にB1チームも誕生しましたし、Bリーグでプレーする長崎出身の選手が増えるきっかけにつながるように、これからはできるだけ、地元でこういう機会をつくっていきたいです。来年のTREASUREでは、クリニックをやれたらいいなと考えています」と、地元のジュニア選手たちへの思いを語りました。

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