―輝き放った長崎の「宝」たち
3人制バスケットボール「3x3」の夏のイベントとして定着してきたTREASURE NAGASAKI 3x3 GAMESが2023年8月5、6日に長崎市の出島メッセ長崎で開催されました。
今年は年々増加する応募者数に促され初めての2日間にわたっての大会で、加えてアンダーカテゴリでは早期敗退チームにも多くの経験をと、予選リーグを勝ち抜いたチームが決勝トーナメントに進出するシステムを採用しています。
応募総数122チームの内から抽選で選ばれた100チーム(U12女:6、U12男:10、U15女:24、U15男:24、U18女:9、U18男:16、OPEN女:2、OPEN男:9、総勢369人)が参戦し、年代別カテゴリに分かれて熱戦を展開。日本バスケットボール界を代表する豪華なゲストたちも駆けつけ、会場は大いに盛り上がりました。
また、大会と並行して惜しくも抽選漏れしてしまったチームメンバーもエントリー可能としたシュートコンテストやエキシビションマッチが催されました。
3x3は5人制バスケットボールのハーフコートで行われ、1試合10分、21点先取で勝敗が決まります。5人制の3点シュートライン外からの得点は2点、そのほかのシュートは1点を加算。ショットクロックも5人制(24秒)の半分となる12秒で、スピーディーな攻防とエンターテインメント性の高さが魅力です。
DJによるBGMやMCのマイクパフォーマンスが響く中での試合は、小、中、高校生にとって新鮮な体験。選手たちはその雰囲気を楽しみながら、日々磨いてきたスキルを披露しました。
子どもたちもスポーツ界も、2020年からの3年間は新型コロナウイルス感染症の流行により、さまざまな制限の中でしか活動ができませんでした。2023年5月に、新型コロナの感染症法上の位置付けが5類に移行して迎えた今大会。各カテゴリの決勝開始前などに、コート上の選手たちから観客へ、大会オリジナルタオルを投げ入れてプレゼントする“タオルトス”が行われました。
この企画には「コロナ禍を経て再び集うことが出来る日常を取り戻した喜びを、強いられてきた我慢を解き放つ喜びを、決勝まで勝ち進んだ喜びを参加者みんなでシェアしよう」という意味が込められています。
練習で磨いたスキル発揮
- 第1日は男女とも、U15とOPENでそれぞれの優勝を競いました。全4カテゴリの中で参加チーム数が最も多かったU15。シュート、ドリブル、1対1など、普段の練習で身につけてきたスキルを思い思いに発揮して好ゲームを繰り広げました。
未来の長崎バスケットボール界を引っ張っていく卵たちの激励に登場したのは、長崎県を代表するBリーガーで2021年東京五輪日本チームの主将を務めた田中大貴選手(サンロッカーズ渋谷、雲仙市出身)。予選リーグの途中と決勝戦をコートサイドで見守り、表彰式のプレゼンターも担当しました。
地元の憧れの“先輩”を目の当たりにした子どもたちは大興奮。田中選手は次々と求められるサインや写真撮影に丁寧に応えていました。
U15女子ファイナルamistad vs Team濱崎物語
U15の女子決勝はamistadがTeam濱崎物語に15-14で競り勝ちました。13-14の1点ビハインドで迎えた試合終了間際に、2点シュートの逆転ブザービーターを決めたamistadの窪田天海選手がMVPを受賞。窪田選手は「これまで(5人制の)3点シュートの練習を頑張ってきたので、最後は絶対に決めるという自信を持って打ちました。春の県内カップ戦でも優勝したので、これで2冠できてうれしいです」と歓喜の瞬間を振り返りました。
- U15女 WINNER
amistad
竹成聖姫/志方理莉/窪田天海(MVP)/福田モナ
U15男子ファイナル広角Artist vs KYR2
男子決勝はKYR2が広角Artistに16-7で勝利。2023-2024年シーズンをB1で戦う長崎ヴェルカのU-15ユースチームのメンバーで編成しただけに、予選リーグから決勝まで危なげない試合運びで頂点に駆け上がり連覇を達成しました。MVPに選ばれたKYR2の川口慶二郎選手は「普段から仲が良いいメンバーで、優勝という結果を残せて最高です。MVPには昨年に兄も選ばれていて、兄弟で取れて良かったです」と喜びを語りました。
- U15男 WINNER
KYR2
川口慶二郎(MVP)/萬田琉斗/畠野玲心/佐藤嘉紀
オープンの女子はチーム水田、男子はUCが優勝。両チームは西日本大会(来年1月8日・広島)の出場権を獲得しました。
OPEN女子ファイナルNSB1 vs チーム水田
- OPEN女 WINNER
チーム水田
清水理沙/石田京弥/川口亜稀(MVP)/上田佳乃子
OPEN男子ファイナルNexus vs UC
- OPEN男 WINNER
UC
江頭永遠/森蒼波(MVP)/田代晃太/早岐修斗
将来楽しみな子どもたち
第2日は男女とも、U12とU18が行われました。6分ゲームで実施されたU12は、小学生ながら高いドリブルスキルを見せる将来が楽しみな選手たちの姿も。決勝には、U15に続いて田中選手が駆けつけ、子どもたちを激励しました。
U12女子ファイナルY.R.S vs F4☆
U12の女子決勝はY.R.SがF4☆に5-4で競り勝ちました。2点シュートを含む3得点でMVPに輝いたY.R.Sの西紗那選手は「昨年の負けた悔しさを晴らせました。みんなで協力したり、ダメなところを話し合って修正したりして、成長できたことが結果につながったと思います」と声を弾ませていました。
- U12女 WINNER
Y.R.S
田中悠月/森山琉色/西紗那(MVP)
U12男子ファイナルTeam NZM vs KUNIMI
男子決勝はKUNIMIがTeamNZMを9-5で退けました。素早いドライブや個人技でチームの勝利に貢献したKUNIMIの帆足陸夢選手がMVPを獲得。帆足選手は「練習の中で自分の得意な部分を伸ばして、試合で発揮することができました。これからも、もっとみんなと絆を深めて、たくさん勝っていきたいです」と今後の抱負を語りました。
- U12男 WINNER
KUNIMI
石橋直也/前田光希/帆足陸夢(MVP)/徳永煉
さらなる成長誓う機会に
U18は男女各1枚の西日本大会(11月25日・広島)県代表切符も懸かった戦い。「高校最後の思い出をつくる」「これからの大会に生かす」など、それぞれの熱い思いをコートにぶつけて頂点を目指しました。
U18女子ファイナルWeakest vs Top the C
鎮西学院高チーム同士の対決となったU18女子決勝は、1・2年生メンバーで編成したWeakestが2点シュートで流れを引き寄せ、Top the Cを18-12で下しました。MVPに選ばれたWeakestの馬場心美選手は「同じ北諫早中出身のメンバーがほとんどで、しっかりコミュニケーションが取れたせいか、気持ちが乗っていつもよりシュートが入りました。今後につながる自信になりそうです」とさらなる成長を誓いました。
- U18女 WINNER
Weakest
内田真夏/馬場心美/松尾すず/坂井美羽
U18男子ファイナルTHE THIRD vs Team神威
U18男子決勝はTHE THIRDがTeam神威に18-9で勝利しました。THE THIRDはこの夏のインターハイに長崎代表で出場した瓊浦高の主力2人を含む県の高校トップ選手たちで編成。MVPを獲得した海星高の初田龍乃空選手は「学校は違うけれど、以前から仲が良くて、勝ちたかったからみんなで集まりました。個々のスキルが高いだけではなく、他のチームよりもコミュニケーションが取れていたところが勝ちにつながったと思います」と満足そうに話しました。
- U18男 WINNER
THE THIRD
初田龍乃空(MVP)/ムバグゥイケチュクフランシス/森山望空/江上佳汰
U12男女・U15男女・U18男子カテゴリの表彰式では、サンロッカーズ渋谷から東京オリンピックで代表のキャプテンを務めた田中大貴選手がプレゼンターとして登場。
各カテゴリの優勝チームメンバーには優勝記念Tシャツ・田中大貴選手サイン色紙・大会オリジナルシューズケースが、各優勝チームから1名のみ選出された最優秀選手にはMVPTシャツが贈呈されています。
チャンピオン・MVPに贈呈されたTシャツでMVPロゴは大神氏によるスペシャルデザイン- 参加者記念Tシャツ・大会オリジナルシューズケース
- 記念タオル・アクリルキーホルダー・田中選手SPステッカー
OPEN女子決勝ではTREASURE'20 オンラインチャレンジカップで優勝した石田京弥さんと清水理沙さん(共に長崎西高)が所属する「チーム水田」と、同カップ入賞の城戸彩楓さんと鬼塚花音さん(共にストレッチ)が所属する「NSB1」が激突。優勝した「チーム水田」は西日本大会での活躍が期待されます。
―当たり前の日常に感謝を
2日間を通じて、音楽とマイクパフォーマンスで大会を彩ったのは、DJ NBさん(熊本ヴォルターズ・アリーナDJ)とMCのU-LAWさん(侍BALLERS・バスケットボールMC)、T-MACCOさん。長崎の「宝」たちが輝きを放った大会を、U-LAWさんが子どもたちへ呼び掛けるように締めくくりました。
「(コロナ禍で)皆さんも我慢する時間が長かったと思いますが、周りの人たちのサポートがあって、このように恵まれた機会が得られていることにあらためて感謝しましょう。当たり前になってきた日常が実はありがたいということです。今回の経験を宝として、これからの活躍を期待しています。また来年、元気いっぱいにお会いしましょう!」