佐賀大学 医学部 5年
志方 有莉
病棟実習生は少人数のグループで2、3週間ずつ全ての診療科を回ります。最初は戸惑うことも度々ありましたが、半年が経った今では実習にもだいぶ慣れてきたところです。志高い班員にも恵まれ、忙しくも充実した毎日を送っています。
この半年間で、病棟業務や手術の見学、採血などの手技の練習、カンファレンスでの発表など、様々な経験をさせていただきました。医療の現場に触れることで、これまでよりもはっきりと、医師という夢に近づいているのだと実感しています。
臨床の場でしか得られないことは数え切れないほどありますが、中でも患者さんとの出会いは実習生活の中で一番の宝物です。診療科によっては、担当患者さんを受け持ち、簡単な診察を行ってカルテを書いたり、入院前から治療までの経過をレポートにまとめたりすることがあります。患者さんからは、医学的なことはもちろん、疾患と真剣に向き合う姿勢や、時には人生の先輩として世の中のことなど、本当に沢山のことを教わりました。その一つ一つが、私が医療者として、人として成長していくための大きな糧となっているように思います。初めて、担当患者さんから「ありがとう」という言葉を頂いた時はとても嬉しかったです。この気持ちはおそらく医師になってもずっと忘れないことでしょう。
早いもので学生生活も残すところあと1年半となりました。来年にはいよいよ国家試験を受験することとなりますが、奨学金によって不自由なく勉強に専念できています。医学書や聴診器などはどれも高価なので、購入にゆとりができたことをとてもありがたく思っています。 これからも松園尚巳記念財団と支えてくれる両親に感謝し、精一杯努力していきます。