「My reports 2016」志方有莉/永莉

佐賀大学 医学部 5年

「近況報告」

佐賀大学 医学部 5年
志方 有莉
 
 病棟実習生は少人数のグループで2、3週間ずつ全ての診療科を回ります。最初は戸惑うことも度々ありましたが、半年が経った今では実習にもだいぶ慣れてきたところです。志高い班員にも恵まれ、忙しくも充実した毎日を送っています。

 この半年間で、病棟業務や手術の見学、採血などの手技の練習、カンファレンスでの発表など、様々な経験をさせていただきました。医療の現場に触れることで、これまでよりもはっきりと、医師という夢に近づいているのだと実感しています。

 臨床の場でしか得られないことは数え切れないほどありますが、中でも患者さんとの出会いは実習生活の中で一番の宝物です。診療科によっては、担当患者さんを受け持ち、簡単な診察を行ってカルテを書いたり、入院前から治療までの経過をレポートにまとめたりすることがあります。患者さんからは、医学的なことはもちろん、疾患と真剣に向き合う姿勢や、時には人生の先輩として世の中のことなど、本当に沢山のことを教わりました。その一つ一つが、私が医療者として、人として成長していくための大きな糧となっているように思います。初めて、担当患者さんから「ありがとう」という言葉を頂いた時はとても嬉しかったです。この気持ちはおそらく医師になってもずっと忘れないことでしょう。

 早いもので学生生活も残すところあと1年半となりました。来年にはいよいよ国家試験を受験することとなりますが、奨学金によって不自由なく勉強に専念できています。医学書や聴診器などはどれも高価なので、購入にゆとりができたことをとてもありがたく思っています。 これからも松園尚巳記念財団と支えてくれる両親に感謝し、精一杯努力していきます。
佐賀大学 医学部 5年
志方 永莉
 
 病棟実習では5〜9人ほどの少人数の班に分かれ、1年間をかけて全ての臨床科を回っていきます。それぞれの科に入院されている患者さんにお話を伺ったり、簡単な診察をさせて頂いたり、手術や検査などの手技の見学に行くというものです。その他にもカンファレンスで発表をしたり、患者さんの入院前からの経過をまとめたレポートを作成したりします。こうして4年生までに学んだ医学知識を実践的なものにしていくのです。

 今までの座学とは違い、実際に手技を見せていただくことで、検査や治療がどのように行われているのか、教科書だけでは学ぶことのできないものを色々と習得することができました。百聞は一見に如かずとは言うものですが、身を以てそれを実感しています。患者さんとのコミュニケーションの取り方、プレゼンテーションの仕方など、挙げればきりがありません。実習は忙しいですが、その分充実した毎日を過ごしています。班の仲間の存在も良い刺激となっています。

 この半年間実習をしてみて、自分が医療人としても人としてもまだまだ未熟であると感じました。これまでの試験はなんとかなっていても、いざ臨床に出てみると知らないことがたくさんあり、勉強することは尽きません。これからは自ら学ぶ姿勢を持ち、しっかりと知識を吸収していきたいと思います。また、知識だけでなく人間としての厚みが持てるよう、広い視野で色々な経験をして見聞を広めたいと思います。

 奨学金のご支援によって、今こうして金銭的に苦労することなく、自分のやりたい事を学び生活できています。これからも感謝の気持ちを忘れずにさらに努力精進していきます。

私達は双子の姉妹です。(左が姉の有莉さん、右が妹の永莉さん)
私達は双子の姉妹です。(左が姉の有莉さん、右が妹の永莉さん)

 奨学生 志方有莉さんと永莉さんは県立長崎東高校を卒業後、佐賀大学に進学され、現在は姉妹揃って医学部の5年生です。体が弱く病院にかかることが多かった子供の頃の体験から小児科医を志されました。今年の春からは、大学附属病院の実習生として臨床の現場に立ち会われています。緊張することもたくさんあるようですが、患者さんと直接触れ合うことで、将来の医師としても社会人としても、とても大切なことを学ばれているようです。
 
2016.11.02 更新

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