「My graduation 2020 #2」

奨学生(2020年3月卒業)からのメッセージ

E.N 財務省財務局
東京大学公共政策大学院 公共政策学教育部国際公共政策コース卒 2018年度奨学生

 この2年間を振り返ると、多くの挑戦の機会に恵まれたことを実感します。勉学だけではなく、自らの考え方や人との関わり方も2年前には考えられなかったような変化を得たように思います。

 まず、学生生活では学部時代の4年間の総量を上回るほどの時間と労力を勉学に費やしました。取得しなければならない単位が多く、常に課題に追われていたこともありますが、学部と比較してより熱心な人が増え、また講義のレベルが上がったこともあり、自ら進んで勉強することを迫られたからでした。この2年間は土日が完全にフリーの日がなく、常に何かに追われていたように思います。また、今更な話の様にも思えますが、勉強の仕方を身に付けたようにも思います。今まではひたすらに量をこなすことで、関門を突破できたような感じでしたが、大学院ではとにかく課題の量が圧倒的で、且つその中身も多様であったため、これまでのように時間をかけることが難しく、如何に最小限の労力で最大の成果を生み出せるか、如何に素早く頭を切り替えられるかが必要でした。これは今後社会人として働く上でも役立つと感じています。
 私が大学院で学ぶにあたって、自らの学問への理解を深めることと同じくらいに重視していたのは、学びを実践することでした。私にとって、学ぶことの最終目的にはそれを用いて課題を解決することにあったので、専門性をある程度高めた上では、机上での勉強に留まらず、社会に出て学びを生かせるかどうかを確認することは重要でした。私は政策の勉強をしていたので、議員事務所や省庁でインターンシップを行いました。他に、地方創生のテーマでは離島で演習を行ったり、交通政策のゼミにおいては空港や港湾に赴いたりしました。机上の勉強と比べて、体験を通して得られる知見は部分的なものに過ぎませんが、その分情報量が多く、様々な事情が絡んでいることが分かりました。また、1人で行う勉強とは違って、演習などはメンバーと協力しなければならない場面が多く、グループで行う難しさや達成感を感じることができました。

 勉強以外の側面に目を向けても、この2年間は様々な変化と収穫がありました。まず、大学院1年生の時に、自宅から近いという理由で選んだ歯科医院でアルバイトを始めましたが、ここでとても良い出会いに恵まれました。先生や衛生士さん、他の歯科助手さんも良い方ばかりで働きやすく、また患者さんも良い人ばかりで、楽しく働くことができました。病院で働くと、普段接しない人と関わることになるので、日々驚きや新鮮さを感じます。もちろん、自分自身の口内の健康に対しての意識も変わりました。どうしても、勉強に費やさなければならない時間が長く、十分に休日を楽しめない時も頻繁にありましたが、学期の境目などは、友人と国内旅行に出かけたりしました。

 大学院修了後の進路についてはかなり迷いましたが、当初の希望通り、国家公務員として働くことにしました。幼少期に途上国における貧困や格差を知ったのをきっかけに、広く社会のためになる仕事に就きたいと考えてきましたが、現実を知るほど、また詳細に知るほど、私1人の力では及ばないような世界であると感じます。しかし、まずは飛び込んでみて、できる所まで飛躍できたらと思います。そして、これからの人生で様々な困難に直面すると思いますが、この2年間で私自身が様々な人に支えられて得てきた経験や知見を十二分に発揮していきたいと思います。

大嶽未由 看護師
長崎大学 医学部保健学科看護学専攻卒 2016年度奨学生

 高校生までは勉強に明け暮れた日々でしたが、大学生では勉強だけでなく自由な時間も多く、友人との関わりやサークル活動・アルバイト等様々な経験を通して人間的に成長できた4年間でした。

 勉強面では「看護師」という夢に向かって専門的な知識を身につけることができました。特に約一年間の実習では座学で学んでいたイメージだけでなく実際に患者さんを受け持ち介入を行なう事で「看護師」という役割のやりがいを身をもって学ぶことができました。実習や国家試験に向けた勉強は辛く大変でしたが、同じ学部の友人は同じ体験をしているからこそ、お互いの苦しみを分かち合い支え合うことで乗り越えることができ、卒業と看護師国家資格の取得することができたのだと感じています。「看護師」として働くことは夢であったので楽しみもありますが、やはり不安もあります。実際に働き出すとたくさんの悩みが出てくると思いますが、大学で知り合えた学部の仲間たちがいるからこそ乗り越えていける自信となっています。

 私の大学生活を充実させたのはサークル活動でした。軽音楽にはずっと興味があったのですが、高校までは部活等でなかったため大学生になったら入部することを決めていました。実際に入部してたくさんの音楽に出会い、音楽の幅がひろがり音楽の楽しみを学ぶことができました。実習等で大変なことや辛いことがあっても、サークル活動がとても楽しくて良い気晴らしになっていました。また私は学校の用事でなかなか練習に参加できずバンドメンバーには迷惑をたくさんかけてしまいましたが、それでも「あなたがいないとこのバンドは成り立たない。また一緒にるのを楽しみに待ってるよ。」といってくれるすてきな仲間達にも出会うことができました。バンドのことだけでなく将来や友人関係のこと、学校のことなどすべてを相談し支え合っていたのはこの仲間たちであり、そのような仲間に出会い一緒に音楽ができたことはかけがえのない宝物です。

 私の大学生活は周りから見ると平凡かもしれませんが、私の中では一生の仲間たちに出会うことができ毎日が充実していた最高の4年間でした。きっとこれから大変なことがあってもこの大学生活での思い出や仲間達を糧に乗り越えることができると感じています。

 このような充実した大学生活を送れたのは奨学金をいただけたおかげです。心より深く御礼申し上げます。これからは看護師として、まずは受け持ちの患者さんに一生懸命立ち向かうことで、高齢社会の現代を支え社会貢献をすることで感謝の御礼をお返ししたいと考えております。ありがとうございました。

平湯蒼藍 三菱重工機械システム株式会社
専修大学 経済学部経済学科卒 2016年度奨学生

 私は大学4年間で何をしてきたかと質問されると勉学はもちろんですがやっぱり野球と答えます。

 日本一レベルが高いリーグと言われている東都大学野球に所属する専修大学に入学して1年生から試合に出場させていただきました。結果が全ての野球で1年生から活躍でき順風満帆に大学生活を送れると思っていました。しかし、2年3年と学年を重ねるにつれて周りからの期待・アンチの声など色々な事が重なり自分が目指している野球というのが見えなくなりました。プロ野球を目指して入学した私でしたが3年の頃には大学で野球を辞めようと考えるまでになりました。

 しかし、ここまで自分を鍛え成長させてくださった周囲の方々であったり家族の存在があり、続けられる限りやり切ろうと思い頑張ってきました。そして四年生になりキャプテンを務めることになりました。これまでとは違う立場でどうチームをまとめるかを日々考えながら過ごす毎日に楽しさもありましたが、辛さや厳しさを感じる日々の方が数倍多かったと思います。今までの野球人生の中で自分の活躍よりもチームが勝つことだけを考えてプレーをしてきたのは初めてでした。誰にでもはできない経験を得られたことはこれからの人生で生きてくると今になって感じます。

 これからも野球を続けて更なる高みを目指していきますが、やっぱり応援・指導してくださった方々の誇りであるために頑張っていきたいと思います。最後に4年間にわたりサポートしてくださり野球人生の中でおそらく1番悩み考えさせられた4年間を過ごさせていただき、本当にありがとうございました。プロを目指せるのも残り数年となりましたが2年間でプロ野球の世界に行けるように精進してまいります。

太田涼介 株式会社サクラクレパス
長崎大学 経済学部総合経済学科卒 2016年度奨学生

 私が学生時代最も注力してきた活動はイベントスタッフのアルバイトチーフです。当時、チーフをしていた先輩が同じ大学生とは思えないほどリーダーシップがあり、アルバイトの方々から慕われている姿を見て、この先輩のようになろうと決心致しました。

 人が嫌がるような仕事や力仕事なども積極的に行っていたことで、同僚や先輩方からの信頼を徐々に得て、チーフに任命されました。チーフは、多数のイベンター会社や媒体企業と直接やりとりを行い、そこで得たイベント情報の詳細をアルバイトに伝えます。また、現場では責任者となるため、決められたことだけではなく様々なことに目を配り、自発的に行動しました。無茶で理不尽な要求もありましたが、会社とアルバイトの仲介役として双方と上手く関わりを持つことを意識しました。

 これから社会人として仕事や人間関係においても、私がアルバイトで得た自発性やコミュニケーション能力を存分に活かしたいと考えております。

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