「Characters」岩本由佳

長崎大学 経済学部総合経済学科
2017年度奨学生
 今回ご紹介する書簡と共に、学修に対するある種モチベーションともいえる「教育の経済格差」について、ご自身の経験からも積極的に行動されていることを率直にお答えいただきました。経済を専攻される学びの過程において、貧困とは何か、なぜ生まれるのか、改善する手立てはどこにあるのかと、常に照らし合わせて考えられているそうです。

 この世の中に貧困児童は多く存在しますが、そのことを発信する場はなかなかないものであり、恥ずかしさで踏み出すことができない子が大半です。その中で、このような場を設けていただいて本当に感謝の気持ちでいっぱいです。たとえ私の紡いだ小さな言葉たちでも、同じような境遇にいる子ども達のお役に立てればいいなぁと思っています

 私事ですがツイッターなどでも、そのような子どもたちのことを知らせようと発信したり、同じような活動をなさっている方々や、そのような子ども達を持つ親御さん方とお話をしたりします。なかなか表立っては言えないものですし、傷の舐め合いと言われたらそうかもしれませんが、話をしたり、互いに聞くだけでも気持ちが安らぐ時があります。

 まだまだこの世の中は貧しいというだけで、差別するような動きが残存しておりますし、活発化しているようにも感じております。その中で貧困児童達は周りにバレないように、貧困が原因でいじめられないように必死で隠そうとしています。しかし現実とは残酷なもので進学をするたびに、経済面での圧倒的な差を嫌という程感じさせられますので、将来に関して多くを諦めてしまう子が少なからずおります。

 私も何度もくじけそうになったり、悔しさに涙が止まらないことがありました。しかし諦めずに勉強を続けたり、周りの暖かい支援を頂いてなんとか前に進むことができました。

 私はこの世の中に生まれてきた子ども達には必ず使命があって、生を受けたのだと思っています。そのため、貧困であることは1つの試練にしかすぎず、たとえ貧困であっても諦めなければ必ず報われる瞬間があると思うのです。幸せは人それぞれですが、まずは子ども達が平等に何不自由なく勉強ができるような社会を私は望んでおります。
 


 岩本さんは、奨学金などを活用したことにより、大学生活を過ごす過程でさまざまな可能性を見出すことができていると確かな手応えを語られました。
 学内における有志活動を行うサークルに参加され、オープンキャンパスなどを通じては、いずれ後進となる子供達へ進学についての助言もされているそう。
 自立した生活のために数多くのアルバイトを掛け持ちされており、既に社会人としての横顔も見て取れます。実践的な能力を身に着けるべく、グループ内でのコミュニケーションの取り方や、行事の運営などの立ち回り方などについても考えて行動し、あらゆる現場で活躍できる人材になろうと努力を惜しむ様子は微塵もありません。
 将来的には「常に変化に対応し続け、自身の成長を求められる職業」に就きたいとされながらも、自身の命題としてボランティアやSNSを通じ貧困問題に継続的に取り組むとのこと。今後は海外への留学も視野に入れ、自らを孵化させる自信を蓄えようと、日々を懸命に丁寧に努められています。

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