「My reports 2017」豊田奈央

長崎県立大学 経済学部 流通・経営学科 3年

ベトナム研修を終えて

 9月上旬、私は海外ビジネス研修に参加し、ベトナム南部最大の経済都市であるホーチミン市で3週間のインターンシップを行いました。期待と不安を抱えながら入国したベトナムでしたが、とても刺激のある貴重な日々を過ごすことができました。
ホーチミンの街並み、奥には人民委員会庁舎


 私がこの研修に参加するきっかけとなったのは、大学に入学する以前から、学生のうちに国外に出てもっと世界のことを知りたいという気持ちがあったことや、大学生活を送るうちに様々な社会人の方からお話を伺う中で、海外で働くことについて興味を抱くようになったからです。
 ベトナムを選んだ理由は、経済的な理由や治安の問題もありましたが、若い労働力が豊富で、日本企業が多く進出している国であり、日本とは違った経済の成長過程がみられるのではないかと思ったからです。研修に向けては、昼休みなどの時間を使って英語やベトナム語のレッスンを受けたり、その歴史や現状について学んだりと、準備に追われる日々でした。

 今回は、3週間で2つの日系企業(日本通運、H.I.S.)にインターンシップ生としてお邪魔いたしました。実際に会社で利用する資料の作成やプレゼン、施設の見学などの普段は得難い経験をする中で、現地の人々とは英語で意思の疎通を図らなければならず、苦労する場面も多くありました。そのような中でもまず自分の頭で考えて行動すること、課題を計画的に進めること、人に伝わりやすく語り、そういった話術を用いてプレゼンや発表の場に臨む、といった企業人としての実践的スキルも求められ、日々が学びの連続でした。
 
日通スタッフの皆さんと
 また、研修の合間の週末を利用してダナン市にも足をはこび、ホーチミン市とはまた違った街並みや商業の様子を見ることができました。ホーチミンはバイクや車の交通量が多く建物も密集しており、街中を歩けば多くの日本企業名が目に飛び込んでくる商業都市であったのに対し、ダナンは世界遺産を中心とする観光都市であり、自然が豊かで田舎育ちの私には親しみやすく、物価の面でも全体的にダナンの方が少し低いようで、住みやすい印象を受けました。

 宿泊したゲストハウスでは東京の大学生たちと出会った縁からホイアンツアーに同行することとなり、互いの学校生活や将来の話、今回のベトナムでの活動について話をするなど、とても楽しく貴重な交流の時間となりました。

 実際にベトナムに行って感じたことは、想像していた以上に開発が進められており、人や街が活気にあふれている国だということです。百閒は一見にしかずといいますが、実際に訪問してみると衛生環境や交通社会の成熟度については日本までは進んでないものの、初めて訪れた者でも滞在中の生活に困ることはほとんどなく、成長に伴って顕在化するであろう多くのビジネスチャンスを内包しているように見て取れ、今後より一層、経済や文化だけの枠にとどまらず発展が期待される国であると感じました。
 
超高層ビルも多数
 大学の講義の中でグローバル化という言葉をよく聞きますが、今回の海外研修はそれを正に身をもって実感することができるものでした。また、自分の強みはポジティブにコミュニケーションを取っていく能力だということを知る機会ともなりました。短期間で環境に適応することを求められる中、言語の壁はあれども臆せずに積極的なアプローチを心がけ、少しでも話すきっかけになればと業務時間後に社内で行われるベトナム語講座にも参加し、その姿勢は上司の方に高く評価しても頂けました。業務時間内はもちろん、昼食や移動などの時間にも交流を図っていくことは重要かつ求められる必要な姿勢なのだと改めて感じる一方で、それに伴う語学力や社会人としてのスキルアップといった今後の課題も見つけることができました。

 短い期間でしたが、海外ビジネス研修に参加したことで、たくさんの方々と出会い得られた様々な体験は自分にとって自信にもなりましたし、思っているだけではなく、先ずは実行する行動力の大切さを再認識させられた、意義深い期間となりました。お忙しい中受け入れてくださった研修先の皆様、サポートしてくれた先生方、そして経済的にサポートしてくださった松園尚己記念財団や両親に感謝し、この貴重な経験を活かして将来の目標である日本と海外を繋げるグローバル人材となるべく、学内外を問わず今後も様々な活動に積極的に取り組んでいきたいと思います。

H.I.S.スタッフの皆さんと

 豊田さんは上対馬高等学校を卒業後に長崎県立大学へ入学、現在は経済学部で流通・経営学を学ばれています。英語や韓国語の勉強も励まれる一方、アルバイトなどにも勤しみ貯蓄を続けることで貸与型奨学金の減額をも果たされ、将来の生活設計にも余念がありません。今回の研修で得られた経験を活かし、働きの場を地球規模に広げようとより高い能力探求に明快な意欲を持たれています。タフなハートを武器に社会人として縦横に活躍する日まで待ったなし、奮闘の日々は続きます。

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